F1第6戦スペインGPのマシンアップデート情報(ショウ&テル)
2月のテストの地に帰ってきた。ヨーロッパ連戦の始まりで、前々から大量のアップデートが投入されることが予期されていた。その予想通り、ほぼ全チームがアップデートを持ち込み、一部チームは大きな改修に手を付けた。
さっそく、いつものようにアップデートを画像付きで見ていこう。
フェラーリ
フロア・ディフューザー
フロアとディフューザーの幾何(角度や位置)を変更した。マシン全体の気流が改善された。
リアブレーキ周り
リアブレーキダクトの取り付け具と、付近の空力部品の幾何を変更した。フロアの変更と同調して、マシン全体の気流の改善に寄与している。
リアウイング
リアウイングのダウンフォースを増加させた。サーキット特性に合わせた変更。
レッドブル
フロントウィング
孤が長く、より角度の付いたフラップを新調した。サーキットに合わせた変更で、ダウンフォースが増加している。
フロア
(おそらくディフューザーの)「膨れた部分」を作るために、フロアをボディへ持ち上げた。このふくらみの下流に気流が改善し、フロア上面の圧力が改善する。
ちなみ、リアウィングは開幕戦で見た大きなものになっている。
メルセデス
フロントウィングエンドプレート
エンドプレートが内側へ傾く角度が緩やかになった(垂直気味になった)。フロントブレーキ後方にある小さなパーツ「Cake tin」や、リアへの気流を改善した。
フロア端
他マシンから習って、フロア端の細い隙間を設けた。フロアのパフォーマンスが上がり、より車高を下げて走れる。
リアコーナー
リアタイヤ内側のパーツのこと。このパーツを新しくしたことで、こことディフューザーの働きが増した。
ティートレイ(キール)
ティートレイに新しいフィンを追加し、いわゆる「ダブルティートレイ」になった。フロア下に渦流を送りこむ効果がある。
マクラーレン
フロントウィング
フロントウィングのフラップの幅を調整した。ガーニーフラップも追加されている。ハイダウンフォース仕様のエアロバランスを整えるため。
フロントサスペンション・ブレーキダクト
フロントサスペンションアームのカバーと、ブレーキダクトの形状を変更した。ブレーキダクトの変更と合わせて、気流の改善をした。
フロア
フロアフェンスを変更した。後述するサイドポッドの変更と合わせて、ダウンフォース増加を果たしている。
サイドポッド
サイドポッドの形状と幅を変更した。マシン全体のダウンフォース増加に貢献している。
また、サイドポッド上のストレーキを取り除いた。ドライバーの視界改善が主な目的。
冷却ルーバー
新しい冷却ルーバーを導入した。新しいサイドポッドもあるが、バルセロナの高い気温に対処するためでもある。
リアウイング
リアウイングの大部分を変更した。ダウンフォースを要求するトラックに合わせた変更。
リアコーナー
リアタイヤ内側の空力パーツのエンドプレートを変更した。新しいフロアに合わせた変更。
ディフューザー
ディフューザー中心部のふくらみを変更した。まだテスト段階であり、新しいフロアによる影響を観察している。
アルファロメオ
フロントウィング
エンドプレートのフラップの幾何を変更した。コーナリング性能が改善している。
フロントサスペンション
一番上のウィッシュボーンアームのカバーを変更した。コーナリング特性が改善している。
サイドミラー
強度向上のためステーを厚くした。また、プラクティスでセンサーを付けられるようにケースを大きくした。
フロア
あらゆる部分で変更が行われた。コーナーでのパフォーマンスが向上が見込まれている。
サイドポッド・エンジンカバー
コークボトル前の形状を全体的に変更した。マシン後方の気流改善が狙い。
冷却ルーバー
内部に新しいフラップを追加した。冷却能力が向上している。
リアサスペンション
ウィッシュボーンとトラックロッドのカバーを変更した。ロスを削減し、気流の向上を果たしている。
リアウィング
メインプレーン、DRSフラップ、エンドプレートの幾何を変更した。ハイダウンフォースのトラックに合わせた変更。
アルピーヌ
リアウィング
リアウイングの外径を大きくした。規定空間のいっぱいまで使いリアウィングを大きくした。ダウンフォースが増加している。
フロントウィング
エンドプレートにあるフィンを変更した。ダウンフォースが増加し、後方への気流も改善している。
リアコーナー
ブレーキドラム上下のウィングレットの角度を大きくした。この周囲やリアウィングへの気流が改善した。
アルファタウリ
リアウィング
前から見た時の高さが増し、角度もついた。トラックに合わせて、ドラッグ増加覚悟でダウンフォースを増やした。
ハース
アップデートは報告されていない。情報では、現在の状態でもっとパフォーマンスを引き出したいとのこと。
アストンマーティン
フロア
フロアの表面を滑らかにした。下面では特に気流が改善している。
フロアフェンス
「ツインアウトボードフェンス」、外側2枚のフェンスを再配置し、また前方へ拡大させた。フロア前方の気流を改善し、あらゆる車高で機能が安定するようにした。
フロア端
「フロアエッジウィング」を後方へ動かすなど変更をした。フロアのパフォーマンスが向上した。
サイドポッド
サイドポッド見ての通りの大変更。エンジンカバー後端の出口も大きくなった。リアへの気流の改善と、エンジンカバー後端は冷却能力向上が狙い。
インレットは前より後方へ移動し、また下端が上昇しインレット自体が小さくなった。冷却の必要要件を満たすためにより良い気流が入るようにした。
冷却ルーバー
新しいサイドポッド形状に合わせて刷新。パターンは2種類あり、どちらも開口部の調整ができるようになっている。
リアウィング
リアウィングの上の方のパーツを変更した。ダウンフォースが増加しており、今後のトラックでも利用できる構成。
ハロ
ハロの後部にフラップを追加した。コックピット周囲、特にフラップの下方の気流を改善した。上の画像では、「aramco」の文字にかぶって、ハロの付け根に小さなフィンが見える。
ウィリアムズ
フロントウィング
フロントウィングの一番後ろのフラップを大きく、そして角度を急にした。後述する大きくパフォーマンス向上したリアウイングに合わせた、バランス調整のための変更。
リアウィング
メインプレーンの迎え角を大きくした。ダウンフォースが要求されるトラックに合わせた変更。
リアコーナー
ウィングレットの数を6個に増やした。この付近の気流改善が狙い。