アストンマーティンAMR22の発表、シェイクダウンモデルを分析する

アストンマーティンAMR22の発表、シェイクダウンモデルを分析する

2月11日、アストンマーティンが2022年マシン「AMR22」を発表した。

前日のレッドブル「RB18」の発表がショーカーで行われただけあって、実際のマシンで発表されたことは相当な喜びだった。

さっそく、細部を見ていこうと思う。

フロントウイング

フロントウイングで気になるのは、メインプレーン(一番前端のフラップ)がノーズとつながっていなく、他のフラップなどからステーで吊るされたようになっていることだ。

これは、隙間からフロア下へ気流を流そうとしていると考えられる。加えて、ステーを使って渦流を作り出しているのかもしれない。このメインプレーンの角度が通常と逆になっていることも、フロアへの気流を最大化しようとしている表れだ。

細かい部分だが、調整機構がマシン内側に移動していることも見逃せない。以前はY250ボルテックスと呼ばれる渦流を邪魔しないようにしていたが、それが作り出せない2022年は、フロントウイングを通過した気流をなるべく外側に流せるように移動させたと考えられる。もしくはこの調整機構も渦流を作り出すのかもしれない。

サイドポッド

目につくのは、2021年のマシンやハースの新しいマシンと違い、サイドポッドが後方に向けて絞り込まれていないことだ。後方に新設された「ビームウィング(エキゾースト左右のウイング)」への気流を考えてのことだろう。

さらに、インレットが真四角であるのも興味深い。限界までインレットを前に出したことで、レギュレーションに対応するため真四角になってしまったと考えられる。また、その横にはカーボン生地がむき出しになっている部分がある。この部分もインレットとして活用する可能性があるので、実際は四角ではなくなるかもしれない。

また、気になるのは多量の冷却口だ。サメのエラのような開口部が設けられている。冷却の助けになり、加えて後方への気流をコントロールできる。多少ドラッグは増すだろうが、それを補って余るほどの効果を発揮できるかが注目だ。

エンジンカバー

エンジンカバーは昨年同様、スリムかつ一部にふくらみがあるデザインになっている。

Tトレイ

ノーズの後方下部、「Tトレイ」と呼ばれる部分が2段になっている。上段はフロア上に、下段はフロア下へ向かっているようだ。

これまであまり注目はされていなかったが、ベンチュリトンネルが導入された今季からは、大事な部分になりそうだ。