TECH TUESDAY和訳・解説:フェラーリ1-2に貢献したPU・ギアの開発
新時代の開幕を見事制したフェラーリ、予選でもレースでも、その速さは確かだった。
この勝利の背後にはフェラーリの新PU「ティーポ066/7」の進歩とギア比の選択があるという。今週のF1公式の「TECH TUESDAY」では、このPUの強さについて解説している
TECH TUESDAY: The power unit gains behind Ferrari’s 2022 Bahrain Grand Prix 1-2 finish | Formula 1®
バーレーンGPで、フェラーリが「F1-75」という素晴らしいマシンを作り上げてきたことがはっきりした。レッドブル、マックス・フェルスタッペンがリタイアする前でさえ、シャルル・ルクレールはレースを支配していたのだ。新マシンのバランス、PUはは上々である。
テスト1回目の早いうちから、メルセデス代表トト・ウォルフはフェラーリPUを警戒していた。その力強さは開幕戦でも健在だった。
Tipo 066/7 はほとんどが新規部品
フェラーリの新PU「Tip 066/7」は、かねてより噂されていた「スプリットターボ方式」- 全ての他PUが採用する、排気経路のタービンと吸気経路のコンプレッサーを大きく離す構造 -を採用しなかった。
しかし、22年PUは、ERSとバッテリー以外はすべて新規開発した、ほとんど新規のものだという。
メルセデス同様、革新的なインタークーラーを開発したというが、最も大きいのは燃焼の部分だという。超高速点火、火炎をより隅まで早く伝播させられる吸気の渦、これらを進化させたという。
結果、昨年メルセデス、ホンダに10英馬力も劣っていたというパワーを、E10燃料の導入にもかかわらず、上回ることに成功した。
フェラーリPUが見せた驚異の加速力
フェラーリのパワーはレース中、その加速力に表れていた。フェルスタッペンの追撃から逃れるために、加速に注力していた。
レース中、レッドブルのエンジニアがターン4でオーバーテイクは可能かと問うと、フェルスタッペンは「ああ、だけどそのためにターン1が近づくことが難しいんだ。」と返答した。
この加速の差は、GPSの分析では、ターン4、8、10の出口で顕著だったという。ターン4を通過した直後では、ルクレールはフェルスタッペンより3km/h速く、全マシンの中でもトップだった。ここの速度は他フェラーリPUも速く2位周冠宇、3位ミックシューマッハだった。ちなみにフェルスタッペンは14位。
ギア比も加速寄りに
フェラーリはギアの配分をレッドブルよりもクロスにしていた。例えばルクレールはターン4手前は8速なのに対し、レッドブルは7速だった。このような違いはターン5、8、10、15でも見られる。
ギア比を含むギアボックスは、シーズン中1度だけしか変更ができないパーツだ。今後もこの傾向が続くだろう。
次はスピードレンジが高いサウジアラビアGPだ。ここではどうフェラーリマシンがふるまうのか、興味深い。
1件のコメント
コメントは受け付けていません。