【F1公式より】昨シーズン最も気に入ったグランプリは?
参考:F1公式サイト(REVEALED: Your 5 favourite races of 2021 – plus extended highlights of the winner | Formula 1®)
10ヶ月にわたって開催されたF1の2021年シーズンは、その長さを感じさせないほど速く過ぎ去っていった。ここまで多くのドラマチックなシーンを展開した年は珍しいのではないか。
F1はシーズンの振り返りとして、「最も気に入ったグランプリはどれか?」というファン投票企画を行った。世界中から、実に5万を超える投票が集まった。
さて、どのグランプリが選ばれたのか?
5位:ハンガリーGP(得票率7%)
衝撃のハミルトン単独グリッドが起こったサマーブレイク明けのグランプリが、5位に選ばれた。
ウェットコンディションで始まった決勝レース。スタートの1コーナーで9台ものクラッシュが発生し、一気に5台がリタイアした。
赤旗中断中に路面が乾き、リスタート前にフォーメーションラップで各マシンがタイヤ交換に動いた結果、リスタートでグリッドに立ったのは何とルイス・ハミルトンだけだった。
その混乱の中でトップに立ったオコンがそのまま逃げ切り、念願の初優勝を飾った。それを助けたチームメイト、アロンソのハミルトンとのバトルや、クラッシュに巻き込まれたものの修理をし、得点圏まで巻き返したフェルスタッペンも見どころだった。
4位:アゼルバイジャンGP(8%)
突然のタイヤバースト、ハミルトンのブレーキミスでセルジオ・ペレスがレッドブル入り後初優勝を飾った高速市街地コースが4位に選ばれた。
ポールスタートはルクレールだったが、レースペースに勝るハミルトン、フェルスタッペンがトップ2に立った。そしてレッドブルの2台がアンダーカットを決め次々にハミルトンをパスし、ワンツーを占めた。
31周目、46周目にはそれぞれストロール、フェルスタッペンがタイヤバーストでクラッシュ。シーズンの中でも1,2を争う危険なクラッシュだった。
赤旗後、50周目のリスタートで、ハミルトンはスタートダッシュを決め先頭ペレスの前に出るも、「ブレーキマジック」の操作を誤り1コーナーで大ブレーキロック、一気に最後尾まで落ちた。その後は知っての通りだ。
3位:ブラジル(サンパウロ)GP(10%)
ハミルトンがジェットコースターのような週末を過ごしたグランプリが3位に選ばれた。
予選ではグリッドペナルティ覚悟で「ロケットエンジン」を投入したハミルトンが、0.4秒もの差をつけポールを獲得した。しかしその後、ハミルトンのマシンのDRSにレギュレーション違反が発覚、予選失格となってしまった。
シーズン3回目のスプリントレース、ハミルトンは最後尾からスタートした。ところが1周目に14番手まで浮上、最終的に5位でフィニッシュした。1位はスタートで前に出たボッタス、フェルスタッペンに続き3位にはサインツJr.が入った。
決勝レース、ハミルトンは新エンジンによるグリッドペナルティで10番手からスタートした。すさまじい勢いで追い上げ、45周目にはトップのフェルスタッペンの真後ろにつけた。48周目には議論を巻き起こした接触をしたが、59周目についにパス。
何度も浮上、沈下を繰り返したものの優勝をしたハミルトン。このグランプリが最終戦までのチャンピオンシップ追い上げの起点となった。
2位:アブダビGP(16%)
いまだに物議が絶えない最終戦が2位だ。
たった1ヶ月前の出来事でもはや説明の必要はないだろう。フェルスタッペンが、レッドブルが、ホンダが完璧なドラマを演じたのだ。
同点で最終戦に乗り込み、最終周でチャンピオンが決する展開は一生語り継がれるストーリーだ。
1位:イタリアGP(19%)
チャンピオン争いで奇妙なクラッシュが起きた伝統の高速サーキットが、全体の1/5もの表を集め、2021年シーズンの1位を飾った。
シーズン2回目のスプリント予選はDRSトレインで単調な展開に終わったが、決勝レースはスタートから盛り上がる。2番手スタートのリカルドがフェルスタッペンをかわしトップに立ったのだ。
先頭のリカルドにフェルスタッペンが、その後ろ3番手のノリスに攻めあぐねつつ、タイヤ交換の時期を迎えた。
そこでフェルスタッペンのタイヤ交換の作業にミスが発生、ノリスに交わされてしまう。さらにハミルトンにも作業ミスが起こり、ずれるはずだったハミルトンのピットアウトとフェルスタッペンの通過タイミングが合ってしまった。
2台はモンツァの狭い1コーナーシケインで接触。フェルスタッペンのマシンがハミルトンのマシンに乗り上げた。なんとも奇妙なクラッシュシーンとなった。
レースはリカルドがトップを維持。そこにチームメイトのノリスが2番手に浮上しそのままチェッカーフラッグ。リカルドは3年ぶりの勝利、マクラーレンとしても2012年以来の優勝、2010年以来の1-2フィニッシュとなった。古豪復活の兆しを見せた。
13人もの表彰台獲得者を生み出したシーズンは幕を閉じたが、来シーズンはますます多くのドライバーが優勝を、チャンピオンを争うことが期待されている。
新レギュレーションのシーズンの到来を前のめりで待ちたい。