2021年、クラッシュ額が一番多かったのは誰?
参考:Sky Sport Germany(Formel 1 News: Die Unfallkosten der F1-Piloten in der Saison | Formel 1 News | Sky Sport)
今年もF1では、例年と同じく多くのクラッシュが発生した。
初めに思い出すのはシルバーストンのタイトル争いの接触だろう。衝撃度としては一番大きいのではないか。この2台はイタリアGPでも交錯した。他にも、ハンガリーの多重クラッシュ、直近でいえばアブダビでのラティフィの単独クラッシュは忘れられない出来事になっただろう。幸運にも、いずれも大きなケガにつながることはなかった。
しかし、今シーズンのクラッシュは、それで失われた金額の話もしなければならない。新たにコスト制限が導入されたからだ。
今シーズン起こった数ある接触、クラッシュで失われた金額を概算し、それらをすべてまとめた金額がドイツのメディア「Sky Sport Germany」から明らかにされた。
今シーズン、最もチームに負担をかけたドライバーは誰なのか?
ルーキーが比較的上位
クラッシュ額トップでトップだったのはハースのミック・シューマッハだった。その額は400万ユーロ(日本円で5億円以上!)にもなった。
チームメイトのニキータ・マゼピンや角田裕毅のルーキー勢もそれなりな額を消費している。テスト日数が限られ、慣れない中で開幕を迎えた彼らは、やはり現代のF1マシンに苦労したようだ。
ところで、「マゼ”スピン”」などと揶揄されたマゼピンより、ミックの方が額が大きかったのは意外だ。おそらく、モナコでのクラッシュなど、ミックの方がそれぞれの金額が大きかったのだろう。
意外なドライバーが上位に
3位マックス・フェルスタッペンや5位バルテリ・ボッタス、6位ランス・ストロールはそれぞれ大きなクラッシュの最中にいたため、順当な順位だと言える。
2位に名前を連ねたのは何とシャルル・ルクレールだ。意外に感じたが、母国モナコ予選やサウジアラビアFP2でのクラッシュはマシン損傷が大きく、またハンガリーでの多重クラッシュではエンジンを失ったりもしていた。
4位のニコラス・ラティフィの目立ったクラッシュはイモラやアブダビの件があげられるが、他にもアメリカなどで接触しており、多くの細かな事例が影響したのだろう。
特筆すべきアルピーヌの2台
そして、注目なのはアルピーヌの2台だ。フェルナンド・アロンソ、エステバン・オコンがそれぞれ19位、20位につけた。
もちろん全10チームの中で最低額だ。彼らは接触もなく中段を勝ち抜き、チャンピオンシップ5位を手にしたのだ。
コスト制限がある中で、この功績はチームをかなり楽にしただろう。
将来はドライバー選択に会計的な目線も?
今回紹介した順位からわかるのは、チームに無駄な出費を強いないドライバーが誰かということだ。
今シーズンから導入された年間のコスト制限。それがある中で、チームとしては当然無駄な出費をしないドライバーの方がいいに決まっている。
今後、こういった指標がドライバーの契約にも関わってくるのかもしれない。