アブダビGP後に沈黙していたメルセデスは裏で何をしていたのか?

アブダビGP後に沈黙していたメルセデスは裏で何をしていたのか?

参考:planet f1(Toto Wolff details Mercedes process after Abu Dhabi GP appeal intent (planetf1.com)

劇的に終わったアブダビGP後、疑問が残るセーフティカー中のFIAの手順、フェルスタッペンの動きに対して、メルセデスはすぐさま2件の抗議をした。しかしその抗議は、どちらもその日に棄却された。

2件の抗議について、メルセデスには上訴する権利があり、その期限である12月16日木曜日までに上訴を含め何らかの動きがあると思われていた。結果として16日水曜日のイギリス時間朝に、上訴はしないとの声明が発表された。

抗議が棄却された後から、メルセデスチームはドライバーを含め完全に沈黙していた。SNSはもちろん、インタビューやFIAの授賞式にも欠席し、チームの考え、行動はベールに包まれていた。

メルセデス代表トト・ウォルフは、先週木曜日に開かれた会見の中で、アブダビGP当日や沈黙の裏で何をしていたのかを語った。

「レース後、私は(当時FIA会長)ジャン・トッドと(FIA事務局長)ピーター・ベイヤーに電話し、この決定には同意できないと伝えた。」

「これは単なる個人的感想だった。一方で、この裏では我々は法的な解決策を得るために、抗議できるのか、何に抗議するのかを考えていた。電話の後、すぐオフィスで取り掛かった。」

「エンジニア、弁護士、親会社であるダイムラーの社長らを集め、全員で話し合い、抗議を提出することに決めた。」

「(メルセデススポーティングディレクター)ロン・メドゥズとチームはスチュワードの招待を受け、2度面会した。そして決定を待ったが、それは残念なものだった。」

この決定の後から、ハミルトンを含めメルセデスチームは沈黙を始めたのだった。

「その後、ホテルに戻りさらに検討を進めるか、それともチームと8度目のコンストラクターズタイトルを祝うか、私は悩んだ。その決断は知っての通りだ。我々は次の日まで、ドライバーズタイトルをフイにした決定を覆そうとした。」

「我々はここ数日、FIAとルイスやダイムラー社長を交えて、正しい決定がなされるために話し合いを行っていた。」

「その中でかなり悩んだ。この抗議の意思をを押し通すべきなのか?それとも不満は残るが抗議を取り下げ、このスポーツをよりよくするような議論をするべきか?、と。」

「最終的に抗議を取り下げる決定をしたのは、水曜日の夜だった。」

ウォルフとしても、全面的に抗議する姿勢をとっていたわけではないようだ。チームをまとめる立場として、FIAへの不満とF1全体への影響をどう考えるかに苦しんでいたようだ。

結果的に上訴しないというニュースが木曜日の授賞式に間に合ったのは、多くの人々にとって喜ばしいことだった。

FIAはメルセデスの不満を真摯に受け止め、だれもが納得するグランプリの永続を実現してほしいものだ。